眩暈



瞼の裏側で光る君に目を奪われ血が駆けのぼる
止まない頭痛と吐き気のする午後


ま ひ る の め ま い


誰も居ない陽の当たる屋上に息を切らして逃げ込む
手を伸ばすことを知らなければ良かった
いつも決まって振り返るのはもういやだ、けれど

揺らぐべく生きるひとになりたい
終わることを望まないでいるのは、違うんだ


僕の隙間を埋めてくれる誰かを待って走り出す
灰色の盤上にはところどころ錆や汚れがあって(きれいだ)

連れてって太陽、空の向こうへ
僕はこの瞼に映るものしか信じない
暗転する瞬間だけ、飛べる


今度こそ、倒れよう



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