かえりみち 電車の中で眠っていたら終点まで席を離れたくなくなった 生ぬるいような涼しい風とか 眠気とか 自転車を漕ぎながらふと ハンドルから両手を離して走りたいとか そしてそのまま眠って 起きたら家に着いてるとか そんなことをぼんやりと思った (足が重いのはあまり空気が入っていないから) (息苦しいのはあまり寝ていないから) コンクリートの上の落ち葉は まるで一つ一つ生きていたかのようにそこにあった 漕ぐ足を止めたくなったけれど そのまま座り込んで寝てしまうんじゃないかと思ってやめた 工事中の道路は熱気が溢れていた ああ、夏が終わる |