R P G とある日、僕はテレビに向かっていた。 画面に映し出される2Dの世界をぼんやり眺めつつ手を動かす。 目まぐるしく流れゆく時間に流されつつ先に進むゲームの主人公 意思は僕 僕の手 僕の思考 君は人形 うようよと僕に近づいてくるモンスター あれは悪い奴 あれは敵 倒さなければならない対象物 獲物 けれど避ければいい。十字キーを押して、ダッシュして。 倒したい奴だけ倒せばいい。倒せそうな奴だけ倒せばいい。 そんな時、記憶の片隅から引っ張り出たものを当てはめた。 ああそうか、結局自分はこうあるんだ。 僕は無言で手に馴染んだコントローラーを握り続けた。 |